ANAホールディングス(9202)
訪日需要で過去最高益、それでも来期は純利益43%減予想
ANAホールディングスは2026年3月期、訪日需要の取り込みと貨物航空会社の連結化効果で、売上高・営業利益・純利益のすべてで過去最高を更新した。だが会社が示す来期の見通しは一転、純利益が43%減という大幅減益予想だ。
売上・利益とも過去最高、配当も増額
2026年3月期の連結決算は、売上高が前期比12.3%増の2兆5,392億円、営業利益は同10.6%増の2,174億円、純利益は同10.5%増の1,690億円と、いずれも過去最高を更新した。旺盛な訪日需要とレジャー需要の取り込みに加え、日本貨物航空(NCA)の連結化効果が寄与している。国際線旅客の座席利用率は83.0%、国内線は79.2%と高い水準を維持した。業績が当初計画を上回ったことを受け、年間配当は当初予想の60円から65円に増額された。
来期は燃油費高騰を織り込み大幅減益予想
会社側が示した2027年3月期の業績予想は、売上高が過去最高となる2兆7,700億円を見込む一方、営業利益は1,500億円(前期比31.0%減)、純利益は960億円(同43.2%減)と、大幅な減益を計画している。中東情勢の緊迫化による燃油費の高騰を保守的に織り込んだ内容だ。今期から中間配当制度を導入し、年間配当は60円を予定している。
国内線の構造的な収益性の低さも課題
国際線旅客が業績を牽引する一方、国内線旅客は旅客数・搭乗率とも前年を上回ったものの、収益性の低さが構造的な課題として残っている。会社は「国内航空のあり方に関する有識者会議」など、官民一体での取り組みに言及している。貨物事業ではNCA連結化によるネットワーク強化が進む一方、自動車関連やEコマース需要の減退が国際線貨物収入の重荷になっている面もある。2026年12月からは上限1,500億円の自己株式取得も実施しており、株主還元の強化にも力を入れている。
まとめ
訪日需要という強い追い風を受けて過去最高益を達成した一方、燃油費という外部要因への感応度の高さが、来期の大幅減益予想という形で表れている。今後は中東情勢の推移と燃油価格の動向が、株価材料として意識されそうだ。
※本記事は公表されている決算情報をもとに構成した情報提供を目的とするものであり、特定の銘柄の売買を推奨するものではありません。投資判断はご自身の責任において行ってください。