ブリヂストン(5108)
米国関税の逆風を製品ミックス改善で打ち返す
タイヤ世界最大手の一角であるブリヂストンは、米国の関税政策という逆風にさらされながらも、売値や製品構成の改善でこれを打ち返し、2026年1〜6月期の純利益は前年同期比78.5%増という大幅増益となった。なお同社の決算期は1〜12月の暦年ベースである点に注意したい。
前期(2025年12月期)は増収増益、株式分割も実施
2025年12月期の連結決算は、売上収益4兆4,295億円、調整後営業利益4,937億円(前年比2%増)となった。2026年1月1日付で1株を2株に分割する株式分割を実施しており、分割後の年間配当は125円(中間60円、期末65円)を予定している。ROIC(投下資本利益率)9.1%、ROE9.5%と、いずれも前期から改善する見通しを示している。
米国関税の逆風を、売値・製品ミックスの改善で吸収
2026年8月に発表された2026年1〜6月期(上期)決算では、純利益が前年同期比78.5%増の2,062億円となった。米国の関税政策の影響が拡大する中でも、為替の影響を除いたベースでは増収増益を確保しており、売値の適正化や高付加価値商品への構成比向上(製品ミックス改善)といった対策で、コスト増を打ち返した形だ。会社側は通期の業績予想を据え置いており、売上収益4兆5,000億円(前期比2%増)、調整後営業利益5,150億円(同4%増)を計画している。
「創立100周年の2031年までに世界No.1奪回」を掲げる
会社は中期事業計画(2024-2026)のもとで「断トツブリヂストン」を掲げ、創立100周年にあたる2031年までの世界シェアNo.1奪回を目標にしている。米国では主力ブランドに加えファイアストンブランドの再構築(マルチブランド戦略)を進め、モータースポーツ活動などブランド強化にも投資している。研究開発費・設備投資は過去2年を上回る水準を計画し、成長投資と株主還元の両立を図る方針だ。
まとめ
関税という外部環境の逆風を製品戦略で吸収する底力を見せた形だが、通期予想はやや保守的に据え置かれている。今後は米国の通商政策の行方と、インド事業やファイアストンブランドの立て直し具合が、株価材料として意識されそうだ。
※本記事は公表されている決算情報をもとに構成した情報提供を目的とするものであり、特定の銘柄の売買を推奨するものではありません。投資判断はご自身の責任において行ってください。