「長期金利」とは?
日経平均2日続落から読む、金利上昇がハイテク・グロース株の重荷になる仕組み
日経平均株価は2026年10月19日に407円59銭安、20日には841円28銭安と2営業日続落し、節目の6万4,000円を約1ヶ月ぶりに割り込んだ。背景には米新興企業コアウィーブへの警戒再燃に加え、原油高や米長期金利の上昇があった。なぜ金利が上がると、半導体・AI関連株のような成長株(グロース株)が売られやすくなるのか、その仕組みを整理する。
「長期金利」とは何か
長期金利とは、主に10年国債の利回りを指標とする、1年以上の長期資金を借りる際の金利の目安のことだ。中央銀行が政策的に動かす短期金利とは違い、将来の景気やインフレの見通しを織り込みながら、市場での国債売買を通じて日々変動する。2026年10月に入ってからは、根強いインフレ懸念や原油高を背景に、米長期金利(10年国債利回り)が一時5.36%台と、約24年半ぶりの高水準まで上昇する場面があった。
なぜ金利が上がるとグロース株が売られやすいのか
株価は理論上、その企業が将来生み出す利益を、金利などを使って「今の価値」に割り引いて合計したもの(現在価値)で説明されることが多い。この割引計算に使う金利が上がると、遠い将来に得られる利益ほど、今の価値への割引幅が大きくなる。半導体・AI関連株のような成長株(グロース株)は、今の利益よりも「数年後に大きく成長する期待」を織り込んで買われている銘柄が多く、見込まれる利益の多くが遠い将来に偏っている。そのため、金利が上がるとこの割引幅が大きくなりやすく、株価の下押し圧力になりやすい。
バリュー株との違い
一方、銀行株や公共性の高い企業のように、すでに安定した利益を出している銘柄(バリュー株)は、近い将来の利益の比重が高いため、金利上昇による割引計算への影響を相対的に受けにくいとされる。むしろ銀行株は、金利が上がることで貸出金利と預金金利の差(利ざや)が広がりやすく、追い風になる場合もある。「金利上昇にグロース株は弱く、バリュー株は相対的に強い」という構図が語られやすいのは、こうした理屈が背景にある。
今回の例で見ると
10月19日、20日と日経平均は2営業日続落し、節目の6万4,000円を約1ヶ月ぶりに割り込んだ。20日の下落では、原油高や長期金利の上昇に加えて、以前の記事で取り上げた「信用不安」のきっかけとなった米新興企業コアウィーブへの警戒感が再燃したことも重なり、半導体・AI関連株を中心に売りが優勢となった。隣国の韓国総合株価指数(KOSPI)も急落しており、金利上昇とAI関連株への警戒が、日本だけでなくアジア株全体の重荷になっている構図がうかがえる。
覚えておきたい注意点
金利とグロース株の関係はあくまで理論的な一般論であり、実際の相場では金融緩和への期待、為替の動き、個別企業の業績など、他の要因も複雑に絡み合う。金利が上がったからといって必ずグロース株が下がるわけではなく、「売られやすくなる要因の一つ」として捉えておくのが適切だ。
まとめ
日経平均は2営業日続落し、節目の6万4,000円を割り込んだ。背景には複数の要因が重なっているが、「長期金利の上昇が、将来の利益を織り込むグロース株の重荷になりやすい」という仕組みを知っておくと、ニュースで金利と株価がセットで語られる理由が見えやすくなる。今後は米長期金利がどこで落ち着くかが、半導体・AI関連株を中心とした相場の方向性を左右しそうだ。
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※本記事は公表されている情報をもとに構成した情報提供を目的とするものであり、特定の銘柄や投資行動を推奨するものではありません。金利と株価の関係は一般的な考え方の一例であり、将来の値動きを保証するものではありません。投資判断はご自身の責任において行ってください。