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KEISEN-CHO — 日本株ノート

鉄鋼

日本製鉄(5401)
USスチール買収完了、今期の重荷から来期の成長エンジンへ

2026年8月13日更新

2023年の買収発表から紆余曲折を経て、2025年6月についに完了した日本製鉄による米USスチール買収。2026年3月期はその負担で利益が急減したが、来期はいよいよシナジー効果が本格化する見通しだ。

政治問題化したUSスチール買収、2年越しで完了

日本製鉄は2023年12月にUSスチール買収を発表したが、米国内で政治問題化し、バイデン前大統領が一時は買収中止命令を出す事態となった。その後トランプ大統領が一転して承認し、2025年6月18日に買収が正式に完了。これによりグローバルの粗鋼生産能力は8,200万トンに拡大し、名実ともに世界有数の鉄鋼メーカーとなった。

2026年3月期は増収も、買収関連費用で純利益95%減

2026年3月期の連結決算は、売上収益が前期比15.7%増の10兆632億円となった一方、事業利益は同24.8%減の5,141億円、営業利益は同55.7%減の2,429億円、純利益は同95.1%減の171億円と、大幅な減益となった。USスチール買収に伴う事業再編損失の計上に加え、中国の景気減速による鋼材市況の低迷が響いた。年間配当は24円(株式分割後換算、前期32円)に減配となっている。

売上収益10兆632億円(前期比+15.7%)
純利益171億円(前期比▲95.1%)
来期純利益予想2,200億円(前期比約13倍)
粗鋼生産能力8,200万トン(USスチール込み)

来期はUSスチールのシナジーが本格化

会社側が示す2027年3月期の純利益予想は2,200億円で、前期比で約13倍という大幅な増益を見込んでいる。根拠となるのが、USスチールのシナジー効果の本格化だ。USスチールは140億ドル以上の設備投資計画を発表しており、うち110億ドルは2028年までに米国内で実行される見通し。年25億ドル以上の投資効果に加え、日本製鉄の技術者約50人を各製鉄所に派遣するなどした操業シナジー5億ドルを合わせ、年30億ドル規模の改善効果が期待されている。中期経営計画では、海外事業利益5,000億円以上のうち過半をUSスチールで稼ぐ姿を掲げている。

まとめ

今期は歴史的な大型買収の完了に伴う一時的な負担が業績を大きく押し下げたが、来期以降はそのUSスチールがむしろ成長エンジンに転じる計画だ。今後は米国鉄鋼市況の回復度合いと、USスチールでのシナジー実現ペースが、株価材料として意識されそうだ。

※本記事は公表されている決算情報をもとに構成した情報提供を目的とするものであり、特定の銘柄の売買を推奨するものではありません。投資判断はご自身の責任において行ってください。