野村ホールディングス(8604)
過去最高益を更新、それでも来期予想を「非開示」にした理由
国内証券最大手の野村ホールディングスは、2026年3月期に純利益が過去最高を更新した。だが会社は異例にも、2027年3月期の業績予想と配当予想の開示を見送っている。好業績の裏にある慎重姿勢の理由を確認する。
純利益は過去最高、資産運用会社の買収も寄与
2026年3月期の連結決算は、収益合計(金融費用控除後)が前期比14.5%増の2兆1,677億円、税引前当期純利益が同14.4%増の5,398億円、純利益が同6.3%増の3,621億円となり、いずれも過去最高を更新した。特にインベストメント・マネジメント部門の収益は34.3%増加し、マッコーリー・グループの資産運用会社を取得したことで運用資産残高は136.9兆円まで拡大した。年間配当は前期比6円減の51円(配当性向41.4%)とされている。
ROE目標を7四半期連続で達成
四半期ごとの推移を見ても好調が続いている。2025年4〜6月期はROE(年率換算)12.0%、税引前利益が前四半期比64%増の1,603億円となり、新設したバンキング部門を含む全4部門が増収増益を達成した。2025年10〜12月期もROE10.3%を維持し、2030年目標として掲げる「ROE8〜10%+」を7四半期連続で達成している。ウェルス・マネジメント部門とホールセール部門の増収増益トレンドが、全社の業績を牽引する構図が続いている。
来期の業績予想は「不確実性が高い」として非開示に
通常であれば決算発表時に示される2027年3月期の業績予想だが、会社は「各国の資本市場における不確実性が高いため」として開示を見送った。配当予想も同様の理由で未定としている。証券会社の業績は市場環境に大きく左右されやすく、米国の関税政策や地政学リスクなど、先行きを見通しにくい要因が多いことの表れとみられる。株主還元については、2026年2月から9月にかけて上限600億円の自己株式取得を実施するなど、不確実な環境下でも一定の還元姿勢は維持している。
まとめ
ストック型ビジネスの積み上げによる安定収益の拡大と、マッコーリー買収による資産運用事業の強化が、過去最高益の原動力になっている。一方で来期予想を非開示とするほどの慎重姿勢もにじませており、今後は世界的な市場環境の変化が、業績の振れ幅を左右しそうだ。
※本記事は公表されている決算情報をもとに構成した情報提供を目的とするものであり、特定の銘柄の売買を推奨するものではありません。投資判断はご自身の責任において行ってください。