日本郵船(9101)
コンテナ船特需の反動、純利益は前期比56%減
海運大手の日本郵船は、2026年3月期にコンテナ船市況の急速な悪化を受けて純利益が前期比56%減となった。特需だった前期からの反動が色濃く出た決算内容を確認する。
運賃市況の下落で減収減益、純利益は半分以下に
2026年3月期の連結決算は、売上高が前期比6.4%減の2兆4,237億円、営業利益は同34.3%減の1,386億円、経常利益は同57.0%減の2,111億円、純利益は同55.7%減の2,118億円となった。会社側が期中に示していた見通しからもさらに下振れる着地となっている。主力の定期船事業は経常利益が前年から2,245億円も減少して497億円にとどまった。新造船の竣工による船舶供給量の増加に加え、米国の関税政策や中東情勢の影響で運賃市況が不安定に推移したことが響いた。
コンテナ船の供給過剰が業界全体の重荷に
コロナ禍以降の物流混乱で高騰していたコンテナ船運賃は、新造船の竣工ラッシュによる供給拡大が進む中で正常化が進んでいる。日本郵船が出資する国際コンテナ船会社ONE社でも、運賃市況の下落によって利益水準が前年度を下回った。ドライバルク(ばら積み船)事業でも円高が収益の重荷になっている。年間配当は前期の325円から225円へと大きく減配となった。
航空事業はANAグループへ、事業構成が変化
2025年8月1日には、傘下だった日本貨物航空とANAホールディングスとの間で株式交換が完了し、2026年3月期第2四半期以降、日本貨物航空は連結対象から外れている。これに伴い航空運送事業の売上規模は大きく縮小しており、コンテナ船を中心とした定期船事業への依存度がより鮮明になっている。
まとめ
前期のコンテナ船特需が一巡し、市況正常化の影響をまともに受けた形の決算だった。今後は新造船の供給ペースと世界的な荷動きの回復度合いが、運賃市況ひいては業績の反転タイミングを左右しそうだ。
※本記事は公表されている決算情報をもとに構成した情報提供を目的とするものであり、特定の銘柄の売買を推奨するものではありません。投資判断はご自身の責任において行ってください。