オリンパス(7733)
売上高は初の1兆円突破、それでも純利益は42%減った理由
消化器内視鏡で世界的なシェアを持つオリンパスは、2026年3月期に会社として初めて売上高1兆円の大台を突破した。だが純利益は42%減と大きく落ち込んでいる。構造改革の「痛み」を先取りした決算の中身を見る。
売上高は過去最高、純利益は42%減
2026年3月期の連結決算は、売上高が前期比1.3%増の1兆106億円となり、同社として初めて1兆円の大台を突破した。一方で営業利益は同40.2%減の971億円、純利益は同42.2%減の682億円と、大幅な減益となった。要因は、グローバルな組織体制の最適化に伴う構造改革費用269億円や、開発資産の減損損失など一過性の費用がかさんだためだ。加えて、米FDA関連の輸入警告や自主的な出荷停止による影響も約300億円のマイナスとなった。
出荷停止も第4四半期には回復基調に
事業別に見ると、主力の消化器内視鏡ソリューション事業は北米・欧州を中心に好調で売上高3%増を確保した。一方、サージカルインターベンション(外科関連)事業は一部製品の出荷停止の影響で3%減収となったが、第4四半期には出荷再開が進み、売上高が前年同期比9%増に転じるなど回復の兆しが見えている。
2,000人規模の人員削減、2027年3月期はV字回復へ
会社は構造改革の一環として約2,000ポジションの人員削減を実施し、最終的に約2,600億円のコスト削減効果を見込んでいる。このうち約2,000億円は2027年3月期に反映される見通しだ。直近の2027年3月期第1四半期では、消化器内視鏡事業の営業利益率が23.3%まで改善するなど、コスト規律の効果が早くも表れ始めている。会社側は今期、一過性費用の解消により営業利益が最大60.1%増となる大幅な回復を見込んでいる。
まとめ
今期は構造改革の費用を集中的に計上する「生みの苦しみ」の1年だったといえる。今後はコスト削減効果の実際の進捗と、米国・中国市場での内視鏡需要の回復ペースが、V字回復シナリオの実現度合いを左右しそうだ。
※本記事は公表されている決算情報をもとに構成した情報提供を目的とするものであり、特定の銘柄の売買を推奨するものではありません。投資判断はご自身の責任において行ってください。