大成建設(1801)
売上は減っても純利益37%増、東洋建設子会社化と利益率改善
大成建設は2026年3月期、売上高こそ前期比3.0%減となったものの、利益率の改善によって純利益は37.3%増という大幅増益を達成した。東洋建設の連結子会社化や株主還元強化の動きも合わせて確認する。
減収でも利益率改善で純利益は過去最高水準
2026年3月期の連結決算は、売上高が前期比3.0%減の2兆890億円となった一方、営業利益は同56.4%増の1,879億円、純利益は同37.3%増の1,700億円と、大幅な増益となった。ROE(自己資本利益率)は18.7%まで向上している。土木事業は売上高7,202億円(前期比8.5%増)と伸びた一方、建築事業は1兆2,744億円(同9.0%減)とやや減収だったが、両事業とも利益率が改善したことが増益の主因だ。国内土木・建築事業で追加の変更工事を獲得できたことも寄与した。
東洋建設の連結子会社化で総資産が拡大
期中には東洋建設を連結子会社化しており、これに伴い総資産は前期末比11.8%増の2兆7,145億円に拡大した。海洋土木に強みを持つ東洋建設をグループに加えたことで、事業領域の広がりも期待される。政策保有株式については、2026年度末までに連結純資産比20%未満まで縮減する方針も示している。
配当性向40%を下限に、株主還元を強化
株主還元にも力を入れており、2026年3月期の年間配当は310円を実施した。次期以降は「下限付き配当性向40%」を新たに導入し、2027年3月期の年間配当は380円を下限として計画している。2027年3月期の業績予想は、大型工事の進捗により売上高2兆4,200億円(前期比15.8%増)への増収を見込む一方、純利益は金利など外部要因により1,510億円(同11.2%減)とやや減益を計画している。
まとめ
「売上より利益率」を重視する経営へと軸足を移しつつあり、M&Aと株主還元強化を同時に進めている点が特徴だ。今後は資材・エネルギー価格の上昇や米国の通商政策動向が建設投資に与える影響、東洋建設との統合効果が、業績を左右する材料になりそうだ。
※本記事は公表されている決算情報をもとに構成した情報提供を目的とするものであり、特定の銘柄の売買を推奨するものではありません。投資判断はご自身の責任において行ってください。