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KEISEN-CHO — 日本株ノート

用語解説

「値がさ株」とは?
AI・半導体株の急落が日経平均を大きく動かす仕組み

2026年10月26日更新

2026年10月22日、日経平均株価は1,713円安の62,907円と、約3ヵ月ぶりの大幅安となった。ところが、この日に値上がりした銘柄の割合は44.0%もあった。半数近い銘柄が値上がりしていたのに、なぜ指数全体はこれほど大きく沈んだのか。その鍵を握るのが、株価の高い一部の銘柄、いわゆる「値がさ株」だ。日経平均という指数の仕組みと、値がさ株が相場に与える影響を整理する。

「値がさ株」とは何か

値がさ株1株あたりの株価(値段)が高い銘柄のこと
注意点「株価が高い」ことと「企業規模(時価総額)が大きい」ことは別
日経平均での代表例ファーストリテイリング、東京エレクトロン、アドバンテスト、ソフトバンクグループなど

値がさ株とは、1株あたりの株価(値段)が高い銘柄のことを指す。例えば株価が5万円の銘柄と2千円の銘柄があるとき、前者が「値がさ株」と呼ばれる。ここで注意したいのは、株価が高いことと、会社の規模が大きいこと(時価総額が大きいこと)は必ずしも一致しないという点だ。時価総額は「株価×発行済株式数」で決まるため、1株あたりの株価が高くても発行株数が少なければ時価総額はさほど大きくならない、という銘柄も存在する。

なぜ株価が高いだけで指数への影響力が増すのか

日経平均の算出方法225銘柄の株価を一定の「除数」で割って算出する単純平均型
TOPIXとの違いTOPIXは時価総額で重み付けする加重平均型
結果として日経平均では、株価が高い銘柄ほど1円の値動きが指数に与える影響が大きくなる

日経平均株価は、対象となる225銘柄の株価(株式分割などを調整した値)を合計し、それを一定の「除数」で割って算出される、いわゆる単純平均型の株価指数だ。この仕組みのもとでは、株価が1,000円の銘柄が100円(10%)動いた場合と、株価が1万円の銘柄が1,000円(同じく10%)動いた場合とでは、指数に与える影響の大きさが変わってくる。株価そのものが高い銘柄ほど、同じ割合の値動きでも指数を動かす力(寄与度)が大きくなりやすいのだ。これに対し、東証株価指数(TOPIX)は各銘柄の時価総額の大きさに応じて重み付けする加重平均型の指数であり、値がさ株の影響を強く受けやすいという日経平均の特徴とは算出方法が異なる。詳しくは新TOPIXの記事でも触れている。

今回の例で見る「寄与度」

10月22日の日経平均1,713円安の62,907円(約3ヵ月ぶりの安値)
同日の値上がり銘柄比率44.0%(半数近くは値上がり)
AI・半導体の値がさ株によるマイナス寄与合計1,249円分、下落幅全体の72.91%
主な下落寄与銘柄アドバンテスト(-447円)、東京エレクトロン(-359円)、ソフトバンクG(-256円)など

この日経平均急落のきっかけは、米半導体製造装置大手ラムリサーチの決算を受けた米国株の大幅下落だった。ナスダック総合指数が2.59%安、フィラデルフィア半導体株指数(SOX)は6.7%安と大きく沈み、その流れが東京市場にも波及した。寄与度の分析では、日経平均の下落幅のうち、アドバンテスト(-447円)、東京エレクトロン(-359円)、ソフトバンクグループ(-256円)、イビデン(-122円)、TDK(-79円)、キオクシア(-65円)といったAI・半導体関連の値がさ株が合計で1,249円分、下落幅全体の72.91%を占めたとされる。半数近い44.0%の銘柄は値上がりしていたにもかかわらず指数が大きく沈んだのは、下落が一部の値がさ株に極端に集中していたためだ。

一方、翌10月23日は日経平均が214円安(62,693円)と前日より下落幅は縮小し、寄り付き後に一時1,445円安まで下げる場面があったものの、押し目買いが入り下げ幅を縮めた。この日はAI・半導体の値がさ株によるマイナス寄与は合計80円、下落幅全体の37.38%にとどまったという。同じように日経平均が下落した日でも、値がさ株が占める比率によって「指数の見た目の下落」と「市場全体の実感」のズレ方は変わってくる。

覚えておきたい注意点

日経平均は日本株市場を代表する指数として広く報じられるが、値がさ株の影響を強く受けやすい単純平均型であるという特性上、ごく一部の銘柄の値動きだけで指数全体が大きく振れることがある。「日経平均が大きく下落した」というニュースを見たときは、値上がり・値下がり銘柄数の比率や、TOPIXの動きも合わせて確認すると、相場全体の実態をより正確に捉えやすくなる。

まとめ

値がさ株とは、1株あたりの株価が高い銘柄のことであり、単純平均型の日経平均においては、こうした銘柄の値動きが指数全体に与える影響力(寄与度)が大きくなりやすい。2026年10月22日の大幅安は、値上がり銘柄が44.0%あったにもかかわらず、AI・半導体関連の値がさ株の下落が寄与度の7割超を占めたことで指数が大きく沈んだ好例だ。今後も半導体・AI関連の値がさ株の動向が、日経平均全体の値動きを左右する場面が増えそうだ。

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※本記事は公表されている情報をもとに構成した情報提供を目的とするものであり、特定の銘柄や投資行動を推奨するものではありません。日経平均の寄与度に関する数値は報道された分析の一例であり、将来の値動きを保証するものではありません。投資判断はご自身の責任において行ってください。